いつも「被災地へピアノをとどける会」の活動に多大なご理解、ご支援を賜り、ありがとうございます。
しばらくの間、受け入れを辞退させて頂いておりましたグランドピアノの受け入れを再開いたします。また、アップライトピアノの寄贈、義援金のご寄付も、引き続きお受けいたします。
「被災地へピアノをとどける会」では、支援先確保のために、行政機関等への問い合わせを行っておりますが、地域の事情に詳しい方々からも情報を提供して頂いています。
学校でのピアノについて、行政機関等への問い合わせでは、「あります。間に合っています。」というお返事を頂くことが多いのですが、実は「ピアノの足が壊れかけている」、「上がらない鍵盤があり、調整不能と言われている」、「震災直後、学校が避難所であった頃、ずっと外に出されていた、あるいは荷物置き場になっていたため状態が悪い」などのご報告を頂くようになりました。たしかに学校にピアノは「ある」のですが、震災に起因すると思われる状態の悪化は、通り一遍の調査ではなかなか見えてきません。
最近、福島県沿岸地域の教育機関の方からご連絡を頂きました。 ある学校では、全校の1割近くの生徒さんがフラッシュバックに苦しみ、今も通院を続けているとのこと。津波で家族、親戚、友人を失い悲しい思いを胸に秘めている子どもたちのためにも、良い状態で音楽を学ばせてやりたいが、上記のような状態のピアノが多いため現場では苦慮していると伺いました。音楽の専門教育を受けるために、大変な苦労をしている生徒さんたちもいらっしゃいます。
音楽が人々の心の癒しとなることは、今さら申し上げるまでもありません。ピアノが、震災で心に傷を負った方々、とりわけ子どもたちの笑顔の種になるよう願いながら、私たちは活動を続けています。
しかし、支援希望の数に対して、お預かりできるピアノが足りなくなってきました。グランド、アップライトともに、引き続きピアノのご寄贈をお願い申し上げます。
なお、中古電子ピアノ、電子キーボードの受け入れはご辞退しております。電子楽器は、数年経過すると修理が困難になること、運搬費とほぼ同等の金額で新品を購入できることが、その理由です。仮設住宅では、床の強度と音漏れの問題があるため、電子ピアノ支援希望を頂くことが多く、新規購入した楽器をお届けしております。
ピアノを寄贈してくださる方には3万円のご負担をお願いしておりますが、お預かりしてから調整してお届けするまでに、1台につき16万円前後の費用が必要です。
1年8ヶ月が経ち、風化は確実に進んでいます。しかし、被災地ではまだまだ苦難の方が多いのです。
義援金につきましても、引き続き多大なご支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
被災地へピアノをとどける会