ひとつ前の記事でご紹介させて頂きましたが、12月14日、東松島市立大曲小学校へグランド・ピアノをお届けしました。贈呈式に立ち会った「被災地へピアノをとどける会」実行委員長・庄司美知子のレポートを掲載いたします。
このところピアノの動きが激しくなってきました。それと共に取材のお問い合わせも来ています。
12月14日、ヴァイオリニストの渋谷由美子さん、「とどける会」事務局の郷古由理さん、そしてピアノを寄贈なさった大阪のK様、調律の阿部さんとで、東松島町の大曲小学校に行ってきました。
大曲小には午前中にピアノが搬入され。1時半より贈呈式が始まりました。校長先生のお話しなどがあり、全校生徒(400人近く)の前で演奏させていただきました。無邪気に明るい低学年に比べ、高学年の生徒さん、そして先生方のお顔は何とも暗く沈んで見えました。後でお話を伺ったところによれば9名の生徒さんが亡くなり、2名の生徒さんが未だ見つからないそうです。
校舎も1階はもう使えないとのことです。確かに乾いてはいるものの、1階の教室は無残なものでした。案内され体育館に入りますと、何とも言えない匂いに咳込んでしまいました。これがヘドロのにおいです。あれから9か月が過ぎても、現場はこんな状況でした。そんな中にピアノが光っていました。
偶然、この学校には私の生徒(小2)が在籍しており、この子もレッスンは最近まで途絶えがちになっていましたが、私と一緒に連弾をしてくれました。そして、渋谷さんのヴァイオリンとのアンサンブル。渋谷さんは、楽器の説明をしたり、生徒の中まで入ってチャルダッシュを弾いたりしてくださいました。Kさんは、子供たちに輪唱の指導、そし
てオー・ソレミオを独唱。生徒さんからは、このピアノを使って校歌の大合唱。児童代表のお礼の言葉と続き、とても盛会に終わりました。
石巻地区の地元新聞による記録写真を頂きました。この校舎の泥だらけの教室を生徒たちがみんなで磨いている写真もありました。コンサート後、教室の窓をみんな開けて「さようなら、ありがとう。また来てねー!」と叫ぶ子供たちに送られて校庭をあとにしました。
この学校には1メートル80センチの高さまで水が押し寄せたそうです。どんなに恐ろしかったことでしょう。
このピアノはこの後この地で頑張ってくれることでしょう。私達に何ができるのだろう・・・。これからも、このおとどけしたピアノの活躍を、そして子供たちをずっと見守っていきたいものです。
庄司美知子