2011年10月27日木曜日

レポート(南三陸町戸倉中学校)

10月25日、南三陸町戸倉中学校にグランドピアノをお届けいたしましたが、 同校を訪問し披露演奏をした「被災地へピアノをとどける会」実行委員長・庄司美知子のレポートを掲載いたします。

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皆様
改めてご報告いたします。昨日戸倉中学校にグランドピアノをお渡ししました。
 
戸倉中学校は、校舎が損壊したため、現在は登米市に場所を移して授業をしています。生徒さんたちは、毎日戸倉からこの仮設の学校まで、バスで1時間かけて通っています。昨日は戸倉小学校の生徒さんもコンサートに参加されました。
 
校長先生(女性の方です)のお話によると、戸倉中の40代の先生が、地域の方々を助けだした後に、体育館のピアノと一緒に津波に流されてしまったそうです。熱心に合唱の指導をしていらしたそうですが、何と流されたピアノのそばで亡くなられていたとのお話に、みんな涙でした。
 
もう一人、生徒さんが避難中に恐怖で動けなくなり流されたそうです。子供たちが受けた心の傷は深いし、ほとんどの生徒さんのご家族(もちろん先生方も)家、車、仕事を失っているとのこと。これからが大変とおっしゃっていました。 
 
心をこめてピアノを弾かせて頂きました。帰り道、石巻のそばを流れる北上川の静かな流れを見ました。この川がこの町をのみ込んだのかと思うと信じられませんでした。

阿久津様から寄贈されたピアノはとても立派で、象牙の鍵盤でした。気仙沼の調律師さんは本当に丁寧にピアノを磨いてくださり、ぴかぴかの新品のようでした。11月3日の文化祭にはこのピアノを使って合唱をします、と校長先生は話してくださいました。

たくさんの人の手によって運ばれたピアノです。皆様ありがとうございました。
この後もピッチを上げてピアノをお届けしていきたいと思います。
 
 
 
一方、 難しい現実をたくさん見てきました。
気仙沼も、ホールはすっかり壊れ、秋の音楽祭やすべての行事が中止となっているそうです。
また、石巻方面への交通(道路)は未だに正常にはなっていないのです。
三陸自動車道はかなり混んでいるというので、帰りは45号線の道路を走りましたら、途中で通行止めのバリケードがあり、何台かの車と共にUターンして戻ること20~30キロ。やっと高速に乗りましたが8キロ渋滞というのに巻き込まれました。石巻と仙台をつなぐ電車もまだ止まっているので皆さん車で移動をするし、あちらこちら道路も寸断されているので、どこもかしこも大渋滞になるのです。通勤の人たちの苦労がわかりました。
1日も早い道路や電車の復旧なくして、この地域の復旧は難しいと感じました。